リボングマの観劇日記

宝塚を中心に、ステージを愛するリボングマが日々の記録を綴ります♪♪

観劇「バイオーム」。エリザっぽい魅力も!?

昨夜、池袋のブリリアホールでウエクミ先生脚本の「バイオーム」を見てきました。


【あらすじ】
その家の男の子はいつも夜の庭に抜け出し、大きなクロマツの下で待っていた。フクロウの声を聴くために...。男の子ルイの父に家族を顧みるいとまはなく、心のバランスを欠いた母は怪しげなセラピーに逃避して、息子の問題行動の奥深くにある何かには気づかない。政治家一族の家長としてルイを抑圧する祖父、いわくありげな老家政婦、その息子の庭師。力を持つことに腐心する人間たちの様々な思惑がうずまく庭で、古いクロマツの樹下に、ルイは聴く。悩み続ける人間たちの恐ろしい声とそれを見下ろす木々や鳥の、もう一つの話し声を...。(公式より)


出演:中村勘九郎、花總まり、古川雄大、野添義弘、安藤聖、成河、麻実れい


ーーーー以下はあくまでリボングマの感想。軽いネタバレ含みますーーー


見る前は、「朗読劇で3時間(休憩25分)か・・?」と実は少し不安も。ただ、開幕してみると最初と最後以外は、ストレートプレイを見ている感じで。席は一番後ろでしたが、豪華すぎるキャストの熱い芝居にひきこまれました。


出演者は、セレブな政治一家をめぐる人々と、彼らの屋敷に植えられた植物役を絶妙にスイッチしながら演じていきます。(主役のルイを演じた中村勘九郎さんだけは少年の役のみ)


内容もあらすじを読んだときは「難解?」と思いきや、わかりやすかったです。「華麗なる一族」みたいなドロドロした家族と、彼らを静かに見守っている植物たちの物語。純粋な心を持つ少年のルイだけは欲望まみれの「人間」界と大地の象徴ともいえる「植物」界の中間にいるような存在。不穏な感じで始まり、一幕後半からドラマティックになって、2幕は少し笑いあり、ヘビーな修羅場ありで、最後はファンタジーっぽく終わった気がします。


宝塚時代からあてがきが上手なウエクミさん。どの役者さんにも魅力が生きるように描かれていて。ルイの母を演じるお花様(美しい・・)は「エリザベート」の晩年のシシィの孤独と狂気を彷彿させる役だし、そんなお花様を密かに恋する庭師役は、二の腕の筋肉が凛々しいトートを演じた古川君。彼がお花様をお姫様抱っこするシーンとか、「エリザ」再び!?と思いました(笑)。ルキーニだったソンハさんもお花様の夫役で登場。


強烈な存在感を放ったのは、麻実れいさん。一声を発するだけで劇場の空気をビリビリ震わせる圧倒的な存在感で、植物界の「母」ともいえる黒松(&家政婦)を演じていました。麻実さんが舞台の中央に立たれると、劇場が神話的な壮大な世界に・・。


クールな政治家役のソンハさんも良かった~☆彡♡
キビキビした動きや一瞬でひきこまれるお芝居を堪能できました。


演出は、映像やアニメーションを使って、重い話をファンタジー色強めに盛り上げていたと思います。まさに「スペクタクル・リーディング」。ただこれは好みですけど、これだけの凄いキャストなので、映像を抑えた演出で見たい気もしました。(以上は見てきてすぐ書いた感想なので、うろ覚えのところもあります!)


最後はスタンディングオベーション。11日のライブ配信でもう一度見たいです☆♡☆☆